2020年、中国のEC(電子商取引)における小売額は約2兆3000億ドルに達し、世界最大のEC市場になりました。これには新型コロナウイルスによる消費スタイルの変化(実店舗ではなく、Web上で商品を購入)、そして、インターネットの急速な普及(インターネット利用者の殆どがモバイル機からの利用)が大きな要因です。2021年には前年比21%の成長が予想されるなど、中国のEC市場は引き続き拡大していくことが考えられます。
中国の消費者向けにEC販売を行う場合には、一般貿易と同様に中国国内の輸入者が海外販売者との間で貿易手続きを行い、中国国内のECサイトで商品を販売する方法があるほか、中国国内で中国政府が指定した保税区内にある保税倉庫に予め商品を保管しておき、受注後に保税倉庫から出荷、通関・検疫を経て、消費者へ配送する方法や受注後に海外の倉庫から出荷し、通関・検疫を経て、中国国内の消費者へ配送する方法があります。
中国にも複数のECモールが存在し、それぞれに特徴があります。ターゲットとする消費者に効果的に売り込むため、自社に最も適したECプラットフォームを選択することが重要になります。高品質な日本製品は、中国消費者から高い評価を得ているようです(このまま高品質・低価格?を維持しないと競争には負ける可能性が高い?)。アリババグループの統計では、W11期間の天猫国際における国・地域別商品取引額ランキングで日本製品が5年連続で1位を獲得しています。ある調査会社による発表では、2019年に消費者が最も気に入った越境商品カテゴリーの上位は、①メイクアップ・美容関連商品(35.8%)、②健康食品・サプリメント(31.2%)、③シャンプー、ボディソープ、歯磨き粉などのパーソナルケア商品(24.4%)、④食品、飲料(20.5%)、⑤デジタル家電(16.7%)及び⑥アパレル・バッグ類(14.4%)となっています。