<Webサイトが売買される?>
Webサイト自体の作成や想定するアクセス数などを獲得できるようにするためには、工数や時間、費用などの相当な労力が必要となります。そのため、手っ取り早く自社のビジネスに適したWebサイトを手に入れるために、Webサイトを購入したいという需要が生まれることになります。これにより、Webサイトの売買という市場が生まれることになります。
<Webサイトの売買(M&A)の流れ>
Webサイトの売買に当たっては、M&Aと同じような手法がとられることが多いです。
①秘密保持契約の締結
②基本合意書の締結
③デューデリジェンス
④最終契約書の締結
⑤クロージング
もっとも、小規模なWebサイトの売買に当たっては、詳細な手続きは取ることなく、簡易的なやり取りのみで売買がなされることがあります。
<Webサイトの売買(M&A)の注意点>
Webサイトの売買(M&A)においては、注意すべき点が多々ありますが、特に気を付けたいのは以下に述べるところです。
売買(M&A)の対象の明確化をする必要があります。特に、画像、デザイン、動画、文章等については必ずしもWebサイトの権利者のみが著作権等の権利を有しているわけではなく、第三者に属していたということもままあります。そういった場合、Webサイトの売買(M&A)による譲渡により、他の契約関係や権利関係も承継されるかなどについては確認をする必要があります。
例えば、Webコンテンツについてすべてが売主に帰属していることは少なく、Web サイトの譲渡の前に売主において全ての契約関係及び契約関係を整理して譲渡や使用許諾に関する契約を買主へ引き継ぐための段取りを取っておく必要があります。
また、アフィリエイト(Webサイト内の記事で広告主の商品を宣伝し、そのページを見た人が実際に購入や契約に至った場合などに、その成果に応じた報酬が支払われる広告の仕組み)を含めた広告収入がある場合には、広告主等との間での契約関係を整理し、売主から買主に引き継げるようにしておく必要があります。特に、この広告収入があることが、Webサイトの売買(M&A)の対価に反映されている場合には、契約上、重要な部分になってきますので、より重要になってきます。
さらに、個人情報の引継ぎを受ける場合には、個人情報の第三者提供にあたりますので、個人情報保護法上、本人の同意が原則として必要となります。
以上のほか、Webサイトの売買(M&A)については、様々な観点から吟味する必要がありますので、困ることがあれば弁護士などの専門家に相談をすることをお勧めします。