システム開発を進めるに当たっては、上手に契約書を作成する必要があります。この契約書の作成を進める理由は、トラブルを解決するためです。裁判例などを見ていても多く見られるのが、契約した内容が当事者間で食い違っているということです。それをなくすためには、言わずもがな全てをきちんと確認して、確定して行くことです。
プロセスは、一般的に、①企画、②要件定義、③システム開発、④ソフトウェア実装、⑤ハードウェア実装、⑥保守に分けられます。そのうち、②は極めて重要です。
②要件定義は、機能面で「何が何処までできる」のかを定めること(例えば、画面に何を表示するのか、データの構造をどうするのか、一連の自動処理をどうするのか、外部との連携はどうするのかなどです。)と、機能面で決めたできることの品質や速度など、システム開発の目的との関係で過剰な品質屋速度になっているのではないかなどを考えながら、定めることに大きな意義があります。
要件定義を定めるに当たっても、発注者と開発者との間で齟齬が生じることがあります。その様な齟齬をなくすために、書面等できちんと確認をしながら、システム開発の目的と範囲が明確になっているか、何処までが開発者が行うべき仕事で、発注者としてどの点が譲れないかなどを確認しておきましょう。その中で、図表を用いて両者の理解を深めるようにするのも効果的です。
要件定義を明確に定めることは、一見するととてもおっくうで面倒くさいことのように思えます。しかしながら、最終的には、開発者としても何を何処までやれば良いのかが明確になって仕事を進めやすくなりますし、また、トラブルも未然に防ぐことができます。
是非、改めて自社や自身のシステム開発のプロセスを見直して見てはいかがでしょうか。