<メタタグとは?>
メタタグとは、Webページの情報を検索エンジンやブラウザに向けて、Webページの内容を伝えるタグのことをいいます。キャッシュを無効かさせるなど、検索エンジンへの指示出しも可能です。メタタグは、HTMLのheadタグ内に書きますが、見ようと思えば直ぐに見られるため、ユーザーに記事の内容を伝える効果もあります。
<メタディスクリプションとは?>
メタディスクリプションとは、Webページの概要を紹介するメタタグです。ユーザーにページの内容を簡潔に伝えられので、興味を引くような文章を記載すればクリック率が上がる可能性があります。もっとも、現時点では、SEO対策との関係では直接には影響しないものです。
<商標権について>
商標法は、商標の出所表示機能及びその出所表示機能を通じて獲得される顧客吸引力の保護等を目的としています。商標権とは、商品又はサービスについて使用する商標に対して与えられる独占排他権です。商標権者は、当該商標を使用する対象として使用した商品や役務(サービス)について、登録商標を使用する権利を専有します。
そして、商標権者以外の者が、
①登録商標と同一の指定商品や役務に登録商標を使用した場合、
②指定商品・役務と同一若しくは類似する商品・役務に登録商標に類似する商標を使用した場合、
③指定商品・役務に類似する商品・役務に登録商標を使用した場合
には、商標権侵害と見なされます。
メタタグへ表示させることが上記の①から③に該当する、「登録商標の使用」となるかが問題となりますが、大阪地判平成17年12月8日では、「一般に、事業者が、その役務に関してインターネット上にウェブサイトを開設した際のページの表示は、その役務に関する広告であるということができるから、インターネットの検索サイトにおいて表示される当該ページの説明についても、同様に、その役務に関する広告であるというべきであり、これがひゅじされるようにHTMLファイルにメタタグを記載することは役務に関する広告を内容とする情報を電磁的方法により提供する行為にあたる」としています。
<商標権侵害に当たるかの判断基準>
東京地判平成30年7月26日が「商品等表示の使用方法や態様等といった具体的事情を基にして、一般的な需要者が普通に払う注意を基準として判断されるべきであり、また、現実に混同が生じること間では必要で無く、実際に商品等を購入する時点で需要者に混同を生じさせるおそれがあることをもって足りる。」と判示していることが参考になります。
この判示は、不正競争防止法2条1項1号の混同を生じさせるか否かを論じたものですが、商標が、一般的な需要者が、登録商標が表示された各商品が、登録商標の正規商品と考えて、出所を混同することを防ぎ、商標の出所表示機能及びその出所表示機能を通じて獲得される顧客吸引力の保護等を図ろうとしている点を考慮すれば、前記の判断基準は、商標権侵害の場合にも参考になるものおといえます。
<おわりに>
メタタグにおける表示であるからといって気軽に既に商標登録がなされている商標を用いて自社の製品やサービスを売り込むことはすべきではありません。当たり前ではありますが、まずは自身が使用したいと考えている商標が登録されたものでないことを確認した上で、使用するようにしましょう。
その判断に困った場合には、お気軽にご相談下さい。