お知らせ & 法律相談コラム

現実空間を構築する仮想空間

建築は、現実空間のみならず、仮想空間にも存在します。現に映画や、漫画、アニメなどがその例です。現在、仮想空間は主要な活動空間となっています。コンピュータ上に現実と同じ建物の立体モデル(BIMモデル)を再現して、よりより建物づくりに活用していく仕組みがあり、これをBIMといいます。建築設計の場面では、CADが知られていますが、CADは最初に2次元の図面を作成してから3Dのモデルを作成していく流れであるが、他方でBIMは最初から3Dモデルを作成し、そこから断面図や立面図などの2次元図面を作成していく点で異なります。データの活用法にも違いがあり、CADは専ら2次元図面を作成するために利用されるが、BIMは発注書や見積書、申請書類などいろいろな種類の資料を作成できるのです。

国土交通省は2050年をめどに建築確認申請でBIMの導入を目指しています。導入には、いくつかの検討すべき点もあります。例えば、現実空間を構築するための設計図書ではJIS/JAS基準であるものの、仮想空間ではISO基準で建築デジタル情報を構築することになるとおもわれ、技術基準が異なるので、建築デジタル情報と設計図書との関係の整理が必要になります。また、実際の建築物を構築する業務と建築デジタル情報を構築する業務に分けて建築デジタル情報を構築する業務内容を検討することが業務として必要となるので、建築士の役割も多様化するものと思われます。

士業の世界もデジタルの活用により、様変わりしそうですね。

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