お知らせ & 法律相談コラム

事業者による検索履歴等の情報収集の違法性

検索サービス提供事業者は,検索キーワードのみならず,その利用者の検索履歴やサイトの閲覧履歴等に併せて,検索結果を表示します。また,検索に連動して提示される広告は,検索キーワードやそれ以前のサイトの閲覧履歴等を参考にして広告を表示させます。当該事業者が情報を収拾する際,クッキーが利用されることが多いですが,その場合にはIPアドレスやID等を利用してサーバーにアクセスしてきたパソコンの同一性を識別するだけであり,その他の情報と結びつけなければ検索をしている利用者の住所や氏名などは分かりません。要するに,当該事業者が収拾する情報には個人識別性がなく,原則として個人情報保護法の対象外となります。当該事業者は個人情報保護法の規制を受けることは原則的にはなく,また,個人を特定できない以上,プライバシー権の侵害の問題も原則としてありません。

しかしながら,原則的にと書いたのは,場合によっては個人情報保護法の適用を受けたり,プライバシー権の侵害に当たる場合もありますので,特に,この先より,顧客のニーズに沿った商品等の提供のための技術開発等を行おうとする場合には,その方法が違法性を帯びないかを専門家に相談をするようにしましょう。

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