学校裏サイトでのいじめ問題は,未だ解決出来ていない重大な問題です。ただでさえいじめ問題はアングラ化しやすく,また,対応の難しさから深刻な事態になって初めて全体像が分かるということもままあります。それが学校裏サイトという学校の管理者が正式に運営するWebサイト上ではなく,在学生等が非公式に開設したWebサイト等で行われる特定の子どもに対するいじめであれば,尚更です。
では,Webサイト上で,特定の子どもがいじめを受けているときはどうすればよいのでしょうか。
Webサイト上でのいじめもいじめである以上,学校や教育委員会への相談,法務省の子どもの人権110番,各弁護士会の相談窓口,個々の弁護士への相談などをすることが考えられます。特に,Webサイト上の誹謗中傷の書き込みが名誉棄損やプライバシーの侵害,肖像権侵害等と判断できる場合には,削除請求や損害賠償請求を行うことが可能となる場合があります。また,誹謗中傷の悪質性によっては,刑事罰を求め,告訴をすることも考えられます。
これらの請求は,子どもの法定代理人である両親などが子どもに代わって行うことができます。ただし,被害を受けている子ども自身がどういう気持ちでどう考えているのかなどの話を聞き,十分に協議の上,子どもの理解を得ておくことが肝要です。